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企画展 徳田秋聲生誕150年記念「『光を追うて』に見る金沢」

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令和3年度企画展「徳田秋聲生誕150年記念『光を追うて』に見る金沢-徳田秋聲と桐生悠々-」(4/24-9/12)に関する記事をまとめたものです。
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記事一覧

秋聲と東山の旧宅

ご存じの通り、休館日が9月いっぱい延長となりました。 9月25日から予定していた企画展も早速延期になりましたが、10月1日(金)からの開催を目指して鋭意準備中です! さてさて、前回ト一亭の関係でご紹介した『石川県下商工便覧』(明治21年刊)ですが、実はこの中に秋聲と縁の深い建物が載っています。 それがこちらの「花月庵」(料理商 金澤御徒町 花月庵) 実は、こちらの建物は元・徳田邸…すなわち徳田一家が住んでいたお屋敷なのです(!) 土塀、建物の数、庭園といい、元は立派な武家

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秋聲は見た―三層楼の白堊の牛肉店

前回の更新からあっという間に10日近く経ってしまいました…。その間に三十路に突入。定年まではまだまだ道のりが長いですね。 さて、今回は『光を追うて』に登場するとあるお店についての謎を追っていきます。 ・・・・・・対岸には三層楼の白堊の牛肉店などが聳えたち、・・・・・・ ・・・・・・川向こうの三層楼の牛肉店では、いつも葱をつけてくれたが、それを兄と二人で炉の切ってある長四畳の中の間で煮て食うことにしていた。 「三層楼の白堊の牛肉店」 皆さんはご存じでしょうか?金沢―特に浅

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物書きってレベルじゃねぇぞ!―若き秋聲と悠々の挫折

次期企画展の準備にかまけて気づけば10日近くも更新をサボっておりました…。 えー前回青春篇最終回とのたまいながら前半だけで区切っちゃいましたが、今度こそ最終回です。 さて、小説家を目指して上京した秋聲と悠々は、尾崎紅葉の門下生となるために紅葉宅を(アポなしで)訪ねます。すると、中から出てきたのは玄関番をしていた泉鏡花でした。 これには秋聲もビックリ…というわけでもなく、弟子入りしているのは事前に把握していた模様。 いずれにせよ、玄関番が知り合いだったわけですからこれですん

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そうだ東京に行こう―秋聲と悠々の青春アミーゴ―

長らく本編(?)をお休みしておりました。学生時代の秋聲と悠々について、石川県専門学校→第四高等中学校の順でみてきましたが、今回は青春編いよいよ最終回。 前回までのあらすじ 数学と化学が大の苦手だった秋聲は次第に文学への情熱から、落第と父の死を契機として学校を退学。親友の桐生悠々とともに尾崎紅葉(当時の売れっ子小説家)に弟子入りするために上京して尾崎邸を訪問します。 そこで玄関番として現れたのは、後輩の泉鏡花でした。 少し刻を遡って、秋聲たちが金沢を出発して東京にたどり着く

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休館延長&企画展終了のお知らせ

ここ3週間の出来事― (先月)8月22日まで臨時休館! 「まだだ!まだ会期は一週間残されている!」 (今月頭)まん延防止発動!!8月31日まで休館延長!! 「…9月12日…延ばせるギリギリぶっちぎりまで会期延長だァ!!」 (本日)9月12日まで休館延長!!! タイトルにある通り、臨時休館期間の延長に伴い、企画展「徳田秋聲生誕150年記念『光を追うて』に見る金沢-徳田秋聲と桐生悠々-」は会期を終了することに決定いたしました。 石川県も感染者数が横ばいの状況ですので、予想はし

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番外編 桐生悠々の筆禍武勇伝(?)

(※この記事は、旧雑報で2021年 7月22日に掲載したものを抜粋・加筆したものです。) 前回の雑報で「悠々の、周囲が熱狂してるときに一歩引いた視点から『言わねばならぬこと』を申す性格の片鱗を感じます(これについては番外編で…)」と宣言しましたので、今回は悠々のスタンスについて触れていきましょう。 悠々は信濃毎日新聞および新愛知主筆時代に書いた記事で様々な抗議・筆禍事件を起こしています。有名なのは、信濃毎日新聞を辞める要因になった「関東防空大演習を嗤う」ですが、もうひとつ

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秋聲と第四高等中学校②

(※この記事は、旧雑報で2021年 7月17日に掲載したものを抜粋・加筆したものです。本企画展は8月31日(火)まで休館のため中断中-会期9/12迄) 前回は秋聲在学中の第四高等中学校の先輩陣や先生方、同級生にスポットを当てましたが、今回は秋聲が小説家を目指すきっかけになった出来事や悠々との関係を中心に掘り下げていきたいと思います。 秋聲が小説家を志す切っ掛けとなったエピソードとしては、まず佐垣帰一との交流が挙げられます。彼は秋聲の先輩にあたり、「井上や清水などのグループ

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秋聲と第四高等中学校①

(※この記事は、旧雑報で2021年 6月30日に掲載したものを抜粋・加筆したものです。本企画展は8月31日(火)まで休館のため中断中-会期9/12迄)  前回は秋聲の石川県専門学校時代についてざっくり触れましたが、今回は第四高等中学校時代のお話を少々。 明治20年(1886)に設立した第四高等中学校には、石川県専門学校の生徒も多数入学しました。本科(2年)、予科(3年)、補充科(2年、1887年設置)という構成であり、木村栄が本科1年、三たろうと山本良吉と井上友一が予科1

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秋聲と石川県専門学校

(※この記事は、旧雑報で2021年 6月16日に掲載したものを抜粋・加筆したものです。) 一昨日6/14より1か月ぶりに企画展再開しました~!(※そして再び臨時休館へ2021/8/8追記)前回のつづき「石川県専門学校及び第四高等中学校時代の秋聲と仲間たち」について。特に石川県専門学校に焦点を当てましょう。 『光を追うて』では秋聲の学生時代の思い出のほか、同窓生の紹介や記述が数多く登場します。どんな人物たちが登場するかは、是非会場もしくは『光を追うて』でご確認いただきたいの

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秋聲たちが過ごした四高

(※この記事は、旧雑報で2021年 6月9日に掲載したものを抜粋・加筆したものです。本企画展は8月31日(火)まで休館のため中断中-会期9/12迄) 灼熱の季節が迫り来るのを日に日に感じる今日この頃・・・。(※本当に灼熱になっちゃいましたね…2021/8/8追記) さて前回前々回と番外編として北条時敬・桐生悠々の関係資料について紹介しましたが、両者と秋聲には共通点があります。それは、金沢出身であること、士族身分であること、そして同じ学校にいたこと。 ということで、今回は

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桐生悠々と手紙

(※この記事は、旧雑報で2021年 5月31日に掲載したものを抜粋・加筆したものです。本企画展は8月31日(火)まで休館のため中断中-会期9/12迄) いよいよ5月も最終日。今日も今日とて資料整理に明け暮れております (このとき一度目の臨時休館中※2021/8/8追記)。 桐生悠々のものはひと段落ついたので北条時敬関係資料を引き続き整理中。本や掛け軸のほか、手紙や本の注文書・領収書の類がたくさん残されています。特に手紙のやり取りや購入歴は、その人の行動や人となりを知る上で

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秋聲と悠々が過ごした金沢―『光を追うて』にみえる影②

(※この記事は、旧雑報で2021年 5月15日に掲載したものを抜粋・加筆したものです。本企画展は8月31日(火)まで休館のため中断中-会期9/12迄) 前回は明治初期の金沢の様子―金沢にとって逆境の時代を概観しました。今回は秋聲が当時の金沢、特に士族の暮らしをどう見ていたかについて、『光を追うて』の記述から眺めてみたいと思います。 徳田家は代々加賀八家横山家家臣の家系であり、困窮士族の例に漏れず生活は年々切迫していったようです。幼少期に遊んだ友達との思い出語りをみてみまし

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秋聲と悠々が過ごした金沢―『光を追うて』にみえる影①

(※この記事は、旧雑報で2021年 4月30日に掲載したものを抜粋・加筆したものです。本企画展は8月31日(火)まで休館のため中断中-会期9/12迄) 企画展 徳田秋聲生誕150年記念「『光を追うて』に見る金沢-徳田秋聲と桐生悠々―」が始まりました~! 「そのうち行こう」なんて思っていると気がついたら「あれ?期日過ぎとる…」となるので(経験談)、「思い立ったが吉日」で足をお運びいただければ幸いです。 (なんて当時書いてたら、二度も臨時休館になっちゃいましたよ(2021.8

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『光を追うて』にみえる金沢の地名

(※この記事は、旧雑報で2021年 4月21日に掲載したものを抜粋・加筆したものです。本企画展は8月31日(火)まで休館のため中断中) 今回の雑報では企画展の内容をチョロッとだけご紹介。 本企画展はタイトルにもある徳田秋聲の自伝的小説『光を追うて』をコンセプトに構成されています。作中に登場する金沢の地名や偉人について、史料などを交えながら紹介していきます。このうち地名について少しみていきましょう。 前回でも触れましたが、秋聲の家族は仮名で、桐生悠々などその他の登場人物は

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