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令和4年度企画展

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金沢ふるさと偉人館 令和4年度企画展を紹介します。 前期:「中西悟堂 まぼろしの野鳥図鑑」 後期:高峰譲吉没後100年展「Try, Try Again!」
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#鳥

⑥稀代の鳥類画家・小林重三 後編

前回は重三の生い立ちと鳥類画家としてデビューする経緯まで、駆け出し時代の重三について見てきました。 後編では、鳥類画家として八面六臂の活躍を始める重三と悟堂とのかかわりについてみていきましょう。 松平頼孝の鳥類図鑑構想さて、鳥類学者・松平頼孝が重三を雇ったのは、頼孝が自らの収集した標本をつかった鳥類図鑑を完成させるためでした。 重三に経験値を積ませるために、時に諸外国の鳥類図鑑を取り寄せて絵のタッチを勉強させ、時にフィールドワークに連れていくなど、重三を手塩に掛けて育てます

⑤稀代の鳥類画家・小林重三 前篇

会期終了まであと1週間を切りました。 大変ありがたいことに、昨日までの時点で本当に多くの方が全国から鳥の絵を見に来てくれております☺ おかげさまでグッズの売れ行きも上々… それはさておき、前回からまた一か月以上も空いてしまい申し訳ございません…。 今回のテーマは、本企画展もう一人の主人公である小林重三について。 企画展では「稀代の鳥類画家」としての側面を簡単に触れているだけですので、小林が辿ってきた人生について掘り下げていきましょう。 小林重三の生い立ち 明治20年

④野鳥の会の面々-悟堂と豪華な仲間たち-

見る人が見たら「おぉー…」と唸る面々が集まっているサムネイルの写真。 こちらは「野鳥の会創立満五周年記念座談会」の集合写真です。 この座談会の様子は雑誌『野鳥』第六巻第六号~八号(昭和14年)に連載されました。 なお、この座談会が行われた銀座「さんみや」は、鴨料理のお店だったりします。 大らかな時代ですね。 写真に写っているのは、悟堂のほかに 堀口守   編集・速記者 小杉放庵  画家 歌人 堀内讃位  写真家 「さんみや」店主 清棲幸保  鳥類学者 華族(伯爵)

③悟堂と『野鳥ガイド』

さて、一か月以上もご無沙汰してしまいました…。 皆さん前の内容は覚えておられますかね?私はうろ覚えです。 色々締切に追われる日々が少し収まってきたので、そろそろ本腰いれて更新していきますよー!…多分。(……可能であれば…) 悟堂と日本野鳥の会悟堂が日本野鳥の会(現・公益財団法人日本野鳥の会)を創設し、雑誌『野鳥』を刊行したのは、昭和9年(1934)の事でした。 創設時のメンバーをみてみると、名だたる鳥類学者の他、泉鏡花や柳田國男(民俗学者)、北原白秋(詩人)、荒木十

①始まりにしてトリ 中西悟堂企画展紹介

長らくサボ…昨日から始まった企画展準備に忙殺されて約1ヶ月ぶりの更新となりました。 今回も企画展時期に併せて、 『企画展をより楽しむための偉人講座』 を雑報で更新していきたいと思います。 始まる前から宣伝しとけっていう正論はスルーして、まずは企画展の主役を紹介します。 今回の主役は、「日本野鳥の会」の創設者でお馴染み 中西悟堂(1895-1984) 白山の国立公園への昇格や『鳥獣保護法』(昭和38年)などの法律制定のために奔走するなど、野鳥の愛護と自然環境の保全に生