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大河ドラマ「いだてん」と大島鎌吉①

五りん『続きまして1932年、ロサンゼルスオリンピックより、三段跳びの大島鎌吉!』

大島「え、呼んだ?」

          大河ドラマ「いだてん」 第42回「東京流れ者」より

令和元年(2019)、大河ドラマ好きの筆者(山岸)に絶大なインパクトを与えたNHK大河ドラマ「いだてん」。
明治~昭和期の日本のスポーツ界と落語を題材にした異色の作品。脚本は「クドカン」こと宮藤官九郎さん。

日本人初のオリンピック出場選手である金栗四三(マラソン)と東京オリンピックの立役者 田畑政治(水泳)をW主人公として、1~25話を金栗編、26~47話を田畑編(通称河童編)として二部構成で描いています。

基本政治劇や戦争が題材になりやすい大河ドラマにおいて、”近現代”それも”大衆文化”に焦点を当てたことで、明治~昭和の民衆から溢れ出る”熱量”が全面に押し出されたパワフルな作品に仕上がっていた印象です。
ムッソリーニやヒトラーが登場したり、登場人物の中には存命の方がいるなど異例ずくめな上に「これはフィクションだろ~」というエピソードが実話を元にしていたという衝撃の連続。

個人的に「太平記」(1991)「青天を衝け」(2021)と並ぶ最高傑作ですが、いきなり何故こんな話を…?と言いますと、

今回の企画展の主役、大島鎌吉が登場するドラマでもあるのです。

演じられたのは俳優の平原テツさん。出番は第二部後半にあたる1964年東京オリンピック編(第41~47回)で、東京オリンピック組織委員会選手強化対策本部副本部長(長い!)として登場していました。
(放映中は森西栄一(角田晃広さん)と一緒に登場するシーンも多かったため、「Wメガネ」と勝手に命名していた記憶。)

ドラマの中では周りが個性的キャラが多かったため、常識人ポジに落ち着いていましたが、事実は小説よりも奇なり。実際の大島エピソードの濃さは「まーちゃん(田畑政次)」にも匹敵します。

とはいえ、ポジション的に主人公の田畑政次と近いため、あんまり押し出しすぎると話やキャラが散漫してしまう(常時個性的キャラの群雄割拠状態でしたが)ことを考えれば、作中控えめなポジションに落ち着いたのも納得できます。
制作陣も仰っていたように、あくまで歴史を題材にした”フィクション”であることを念頭におかねばなりません。
…しかし、本来の大島鎌吉のダイナミックさを知ってしまうと、大島鎌吉の魅力ももっと伝えたい!と思ってしまうのも人の性…。

じゃあ発信するか!

ということで、本シリーズでは大河ドラマ「いだてん」をテーマに、実際の大島鎌吉エピソードとの比較検証をしながら、近現代スポーツ史を概観していきたいと思います。

予定としては、今回が①助走(RUN-UP)として
②HOP ロサンゼルスオリンピックと大島
③STEP ベルリンオリンピック~第二次世界大戦と大島
④JUMP 東京オリンピックと大島
というような構成で「いだてん」第二部をみていきましょう。
②③の期間は「いだてん」には登場していないのですが、その頃の大島の活動をいだてんの展開に即して追っていきます。
④は主に「体協の頭脳」と並び称された田畑政治との関係について。むこうが「まーちゃん」ならこちらは「けんちゃん」と呼ばれていましたので「まーちゃんけんちゃん」ですね。

大島視点からみる「いだてん」の新たな世界をお届けできれば!

そんな大島が主役の企画展「ホップ・ステップ・ジャンプ!ー跳ぶ哲学者 大島鎌吉」は11月14日(日)まで開催中!

大島鎌吉チラシ表裏

では今夜の「青天を衝け」を観るために帰ります。また来週。

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