【雑報】高峰譲吉と三宅雪嶺の墓参り
先日会期終了した高峰譲吉没後100年展の資料返却に併せて、茨城県の流通経済大学さん(龍ヶ崎キャンパス)にある三宅雪嶺記念資料館と青山霊園の高峰譲吉墓所と三宅雪嶺墓所に行ってまいりました。
三宅雪嶺記念資料館
流通経済大学に三宅雪嶺の記念館…🤔
雪嶺って茨城にいたっけ…?
となる方もおられるかもですが、実は流通経済大学名誉教授の故・三宅立雄先生は三宅雪嶺のお孫さんにあたり、その好で流通経済大学さんに雪嶺の遺品や資料が寄贈されたという経緯があります。
昨年偉人館の学芸員に就任した筆者としては、ご存命中にご挨拶に伺いたかったのですが、そうした経緯もありコロナ禍で延びていた三宅雪嶺記念資料館さんへのご挨拶に行ってきた次第です。
当館も雪嶺の遺品・資料は多数収蔵しておりますが、やはり凄い…!ひとりの人物にスポットを当てた施設ですので、かなり事細かな情報まで載っています。
(…ウチでこの詳細な解説を一人一人にしたら、展示室の面積3倍は必要やろうな…)
などと考えながらじっくり見学させてもらいつつ、資料館の方々と意見交換させてもらったり、小規模施設ならではの悩みを相談したり、色々勉強させていただきました。
そして気付く、何気に茨城県初上陸…!
ゆっくり飯食ってる時間は移動の都合上取れなかったので、今度は駅前のマ〇クじゃなくて地元のお店で料理を食べたいですね…!
そんなことは置いておいて、三宅雪嶺のことのみならず当時の言論界を学ぶことも出来る大変貴重な施設です。近代史専攻の学生さんや近代史に興味がある方は是非一度足を運んでみては如何でしょうか?
現在見学は事前予約制ですので、ご希望の方は事前にご連絡を!
青山霊園
今回高峰譲吉没後100年ということでお墓参りに行きたいなと思っていたのですが、前回(借用時)は時間が取れず、今回改めて青山霊園に行って参りました。
東京の霊園各地に眠っていることの多いウチの偉人たち。
青山にお墓があるのは、高峰譲吉、三宅雪嶺、黒川良安の3名です。
ということで、早速彼らのお墓を探す旅に出たのですが、
…広い!
どこや!!
となりつつ、地図を確認しながら霊園の中をひたひたと歩くこと5分
…いや、なんか暑くない?
どうなってんの東京…
と、コートを持ってきたことを後悔しつつさらにあるくこと5分
ありました
こちらの看板の横に、高峰譲吉のお墓があります。
以前の雑報でも書きましたが、譲吉はアメリカで亡くなり、カトリック式で土葬されたので、譲吉の墓はニューヨークのウッドローン墓地にあります。
では青山にあるのは…?というと、三共の創始者・塩原又策が遺族から譲吉の遺髪を受け取り、お墓を建立したのでした。
そのためお墓の形も台形と、一般的な日本のお墓と違うデザインをしており、おかげで割とすぐに見つけられました。
なお、上の説明パネルは高峰譲吉博士研究会さんと高峰譲吉博士ゆかりの会さんが2022に設置したもので、出来立てほやほやでございます。
高峰譲吉の墓前で企画展会期終了の報告を終えた後、次に向かったのは黒川良安のお墓。
常設展では展示しておりませんが(2022.11現在)、金沢に西洋医学を広めた蘭学者であり、金沢大学医学部の基礎を築いた人物でもあります。
『もっと知りたい―92人の偉人たち―』では個別ページもあることから、子ども達からの人気も高く、毎回見学にきた子ども達に「黒川良安の展示はありますか?」と聞かれて心を痛める日々…。
それはともかく、黒川良安のお墓は生誕地の富山県滑川市にもあるため、何故青山霊園にあるのか不思議ですが、子孫が東京に移り住んだ際に分骨して新たに建立したのかもしれません。
なお、良安の妹は三宅雪嶺の母であり、良安は雪嶺の伯父にあたります。
ということで、良安には「子ども達にとても人気ですよ」とお伝えして、三宅雪嶺の墓に向かいます。
なお、高峰譲吉の墓と三宅雪嶺の墓の場所は地図上で見ると対角線上
良安の墓は両者の間…よりちょっとズレてるので三地点を結ぶと直角三角形に
お、おのれ…!
まさか11月に上着を脱いで歩くことになるとは夢にも思わず、ひたすら歩きながら迷うこと5分
ありました
こちらはお墓ではなく、雪嶺とその奥さん・三宅花圃(龍子)の書が彫られた石碑。
お墓は石碑の横にあります。
お墓は「三宅家之墓」とだけあり、裏面には昭和三年(1928)に事故で亡くなった長男・勤(東京市技師)のために建立したお墓である旨が記載されていました。
昨日、記念資料館にご挨拶に行ってきた旨をお伝えして、今回の墓参りは終了。
はくたかに揺られて金沢に帰ってきたらそこそこ寒い…!!
寒暖差にやられそうです🥶
ということで、今回は資料返却と挨拶めぐりの旅だったわけですが、来週また出張に行ってまいります。
今度は関東・東北の旅!
出張先には雪マークが!!
こうご期待!
オテンキサン…イキナリホンキダシテクルノヤメテ…